6-3制の小学校・中学校から,4-3-2区分の9年制義務教育学校へ

教育システム

6-3制の小学校・中学校から
4-3-2区分の9年生「義務教育学校」へ移行

本校では,2002年度より小中一貫教育の教育課程と学校システムの研究に着手し,2003年度より6年間,文部科学省研究開発学校指定を受け,研究をすすめてきました。そして,2010年度よりキャリア教育を中核に据えた小中一貫教育学校としてスタートしました。小中の学校施設を一体化し,小中9年間を通して,生徒一人一人のキャリア発達能力に焦点を当てた教科授業をはじめ,様々な教育活動を展開してきました。そして,2017年4月1日より国立大学の附属学校で最初の「義務教育学校」に移行しました。これからも子どもの育ちを9年間で見つめるなかで,現代社会に生きる力を育成しています。



初等部(1~4年)では,学級担任制を基盤に基礎・基本の徹底を図ります。1~4年生は各クラス担任とは別に学年担当を1人おいています。
中等部(5~7年)では,教科担任制を取り入れ,生徒一人一人の学力の定着を図ります。7年生に向けて徐々に完全教科担任制に移行していきます。また,中等部生徒は学校生活の本拠を高等部生徒とともにすることで,小中ギャップを解消し,より高い目標を持って努力していきます。
高等部(8・9年)では,生徒一人一人に合わせて個性や能力を伸張します。一人一人が持つ将来の夢の実現に向けて努力する生徒を育てます。


1. 京都教育大学の附属校

京都教育大学の附属校として,大学と共同して教育指導上の理論や方法に関する先進的,実証的な研究を行います。
また,京都教育大学をはじめとする学生の教員養成課程として重要な位置づけをもつ教育実習を行います。



2. 小中一貫の義務教育学校

未来の社会に躍動する人材の育成を大切に考え,この力を育むために,学校教育全般を通じて子どもたちのキャリア発達を支援し,小中一貫教育の中でキャリア教育に取り組んでいます。
望ましい職業観を育み,日常生活上の役割や社会における役割を把握・認識する力や,学業と進路を密接に関連づける力,人間関係を築いていく力を総合的に育て,「生きる力」を育むことを「キャリア教育」の目的としています。

3. 自発性・自主性を柱とした特別活動

初等部(1~4年)では,縦割り活動や学校行事などに子どもたちが主体的に企画・運営していくことができる組織をつくり,自主的・実践的態度を育てる活動を推し進めています。
中・高等部(5~9年)では,5つの学年がともに「学友会」と呼ぶ生徒会を組織して,各委員会活動,学校行事,全校集会などを生徒自らが運営するシステムを採用しています。5つの学年が一体化して生徒活動を行えるのも,本校が小中一貫教育学校だからこそ実現できるシステムです。

4. 特別支援学級と通常学級との交流教育

学校生活場面で日常的に交流することから,お互いに理解を深め,仲間意識を持って個性を認め合い,協力しあう活動をすすめています。1~4年では西エリアの通常学級と同じ校舎内に特別支援学級教室を配置,5~9年では東エリアの各学年通常学級教室と同じ並びに特別支援学級教室を配置し,より日常の交流が密となるようにしています。また,この日常の交流を基盤として,学校行事などでもより豊かな交流教育を推進しています。

5. 国際理解教育

1995年にタイ国の王立アユタヤ大学附属中高等学校と姉妹校協定を結び,以来,毎年代表生徒20名を相互に相手校に1週間派遣して,生徒交流をすすめています。
本校では,5~9年生がこの交流活動の主体となり,タイ国生徒を1週間本校に迎え,ともに過ごす中で,他にかえがたい貴重な体験をしています。本校から相手校に派遣する代表生徒は,毎年8年生20名です。


学校教育目標



目指す生徒


  • 自ら学び,自ら考え,自律的に行動できる生徒。
  • 様々な考えや文化を受け入れ,他と共生し,協調して行動できる生徒。
  • 自他の個性を生かしつつ,目的を達成できるよう自ら実践できる生徒。

  1. 【自主・自律】自ら学び,自ら考え,自律的に行動できる人を育てます。
  2. 【個性・実践】自他の個性を生かしつつ,目的を達成するよう自ら実践する人を育てます。
  3. 【協調・共生】様々な考えや文化を受け入れ,他と共生し,協調してはたらく人を育てます。
  4. 【寛容・貢献】他者や社会に寛容の精神をもって,社会に貢献する人を育てます。

各部方針

初等部(1~4年)

①課題に対して自分なりの方法で継続的に活動できる生徒の育成

  • 学習活動に対しての持続力・継続力・忍耐力を身につけさせる
  • 学習活動に対して正しく丁寧に行うことのできる力を身につけさせる

②自分の感じ方・考え方を育み,豊かに表現しようとする生徒の育成

  • あいさつや返事を気持ちよく行うことのできる態度を育てる
  • 美しいものを美しいと感じ,想像豊かに表そうとする表現力を身につけさせる

中等部(5~7年)

①自分で課題を見つけ,主体的に判断しながら活動できる生徒の育成

  • 学習活動などにおいて興味関心の幅を広げ,そこから自らの課題を見出せる力を身につけさせる
  • 自らの課題を意欲を持って解決しようとする態度を育てる

②それぞれの思いや考えを伝え合い,協力して目標達成できる生徒の育成

  • 自らのよさを発揮しながら,他との関わりの中で活動する機会を充実させる
  • よりよい学校づくりに向けた自己のあり方を意識させながら活動に取り組ませる

高等部(8・9年)

①広い視野のもとに自己を理解し,高い知性と実践力をもつ生徒の育成

  • 学習活動などにおいて,知識や技能を集団や社会に生かす方策を身につけさせる
  • 高等部学年として,または社会の一員としての自己のあり方を意識させながら活動に取り組ませる

②社会貢献意識や国際感覚のもと,自己実現を図る生徒の育成

  • 個性を認識し,集団や社会へ貢献する態度を身につけさせる
  • 社会への関わりや集団での自他の特性や自己の将来像を意識させながら活動に取り組ませる

カリキュラムの特色

未来に躍動する生徒の育成をめざして,下記のような特色あるカリキュラムを実施しています。

  1. 義務教育9か年を大きな枠組みとして,キャリア教育を土台に行事や活動を計画的に取り組んでいます。
  2. 文部科学省の研究開発学校指定を受け,義務教育9か年のカリキュラム開発に取り組んでいます。このため,各教科の学習内容を9年間の学習内容を発達の段階に応じた内容や各教科の枠を超えた学習内容で整理・精選を行っています。
  3. プログラミング教育と食育を系統的に取り入れるために,第3学年より技術科と家庭科を取り入れています。
  4. 社会科の歴史分野について,6年生から7年生の2年間かけて学習する取り組みを行っています。
  5. 英語教育の充実のために,第1学年より英語科として教科指導を行っています。
  6. 論理的思考力を育成するために,理科や生活科を中心に,英国の認知促進プログラムを取り入れた学習を1年生より実施しています。